トヨタ・セルシオ
気づいたら高級車論。
こないだ新型シーマに乗って、チーフエンジニア氏とか取材しててわかったけど、やっぱ高級車って難しいね。確かにセルシオはすごい。出た時は内外装のクオリティ、良好な乗り心地、クリーンな排ガス、世界一とも言われる静けさ、それでいて旧型とは比べ物にならないくらい運転の面白さなど、これにかなう国産車はあるのか! って感じだったし、実際、シーマとセルシオだったら絶対的性能、総合性能ではセルシオの方が上だと思う。だけど、それでもシーマにも侮れない魅力がある。
これは日記でも書いたけど、言わばそれはキャラクターの差。カンタンに言えばセルシオは王選手、シーマは長嶋選手なんだよね。っていうかそういう関係を目指すべき。
監督となった今はちょっと違うけど、王選手はまさしく世界のBIG1! こないだ現役大リーガーが日本に来た時も、みんな敬意を払ってたし、実際ホームランの世界記録を持ってるわけだし、技術、成績、精神力はピカイチ。でもね。やっぱ日本じゃ長嶋の方が人気あるんだよなぁ。スポーツ選手として、冷静に見ればどうみても王の勝ちだけど、長嶋の方が人気はあると。
セルシオとシーマもそうで、セルシオってのはいいけど、もはやどっからどうみてもフォーマルカーになってしまった。昔のクラウン的存在。実際、黒塗りが似合うし、新聞社の旗も似合う。だからやっぱり休日に家族と、ましてや恋人とはなんかのりたくないわけ。この感情はどうしようもない。
一方、シーマは違う。どことなくユルいんだよね。別にボディ剛性はしっかりしてるし、故障する気配もないけど、なんかラフで気がラク。それに別に性能的には世界一ではなくても、十分すぎるほどいいわけで、ふと「別にセルシオじゃなくてもいいんだよなぁ」と思わせるものがある。
そ、まさしくここがポイント。クルマは当然性能が大切だけど、やっぱり性能だけじゃないわけでそこに気づいた。
で、思ったんだけどベンツとBMWの関係もそうなんだよね。どんなにメルセデス・ベンツがよくっても、BMWが好きな人がいるし、ベンツが嫌いな人がいる。つくづく人ってオモシロイよね。あと高級車もさ。