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日産ステージア

今のベスト日産車

 今回は妙な理屈とか記号論は言いません。久々にキモチいいクルマ。スカイラインもいいんだけどね。っていうかへたするとスカイラインの方が俺にはタッチが軽くていいんだけど、どっちかっていうとこっちが欲しい。ワゴンだから。デザインもしろながすクジラみたいな顔は好きじゃないけど、全体の質感とか、重量感はこっちが好き。

  乗って気づくのはいわゆるクルマの剛性感とはなんぞや? ってこと。開発エンジニア氏も言ってたけど、このスカイライン、ステージア系は振動の伝わり方が他のクルマとは違う。ボディ剛性はきっと高いはず。でもね。感触としては柔かいのだ。ここんとこ難しい話で、ある意味「ヤワ」な感じはあるんだけど、それは「嫌」ではない。どころか「キモチいい」。ここの所にこのクルマの真髄がある。

 スカイラインの時も感じてたんだけど、改めて「キモチよさ」を感じたのはこのクルマが出てから。その間、何度か乗ったし、サーキットでも雪道でも乗ったし、だから時間がかかったみたい。このキモチよさを感じるのに。人にもよると思うけど。

 あのね。例えばカンナで木を削ったら、キモチよーく削れてたら、ある種の振動が伝わってきてると思う。「快楽」の振動。そういう類の振動がある。そういうクルマには他にもあって、例えばアルピナとかBMWとか。俺はアルピナの直6エンジン車が好きだけどね。

 ただこのクルマもいい。多少ユル過ぎるような気もするが…。

 あとね。V6エンジンもいいね。VQエンジン。厳密に言うと直6に負ける気もするけど、発進加速時の、ブン回すちょっと前までがすごくキモチいい。アメリカで確か10年? かそこら連続で『いいエンジンベスト10』(正確には違う名前の賞)を取ったけどそれも良く分かる。

 まあね。これは個人の波長の問題だから、キモチ良さを感じない人も思う。ただ、俺には確実にキモチいい。

 友人の山内君がいってたけど、今の「ベスト日産車」である。

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プロフィール

バラエティ自動車ジャーナリスト
小沢コージ

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中のバラエティ自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『CAR SENSOR』『日経トレンディネット』『carview』など連載多数。一時はTOKYO MX「アンダーステア」でメインパーソナリティ、現在NACK5「おとこラジオ」に時折ゲスト出演。クルマ以外の著作も多く、今年1月にはロンドン五輪のトビウオジャパンを取材した「つながる心」(集英社)を編集、時計分野でも『時計BEGIN』にて連載中。最近、上海オフィスも完成し、中国進出中!!
愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ&ホンダ・エディックス&トヨタiQ。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

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『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』
(宝島社 13年5月)


『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』
(集英社 13年1月)


『クルマ界のすごい12人』
(新潮社 08年6月)


『国産車の愛し方』
(小学館 07年2月)


『力説自動車』
(小学館 06年春)


『小沢コージのクルマ苑』
(ロコモーションパブリッシング 05年秋)


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(講談社/三推社 99年冬)


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(アスペクト 98年春)

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過去、扶桑社『週刊SPA!』、小学館『ビックコミックスピリッツ』、文芸春秋『NUMBER 』、主婦と生活社『LEON』、世界文化社『BIGIN』、光文社『週刊DIAS』などに寄稿。またやるかも?