S20バカこぼれ話
S20ってのは箱スカGT−R、つまり初代スカイラインGT−RやZ432などに搭載されていた名エンジンのこと。わずか2リッター直6なんだけど今でも真剣にチューニングすれば200馬力以上は出る! とか。それもターボなし。それだけチューニングの余地があったってことなんだろうけど、今のホンダVTECに匹敵するか、それ以上の特性。侮れませんよ実際。
主人公は知る人ぞ知る名チューナーの石坂秀夫さん。福生の近くに工場構えてるんだけど、こういう名チューナーって不思議なことに独学なんだよね。大抵。で、つくづく思うけど、チューニングってのはやっぱりどこそこのパーツを付けたりとか、ボアを?mm伸ばしてとか杓子定規になりがち。でもね。パワーってやっぱり科学なんだよ。だから基本中の基本に戻って、空気の流れや機械抵抗、燃焼の状態を考えることが大事。それと絶え間ない研究。結局、それに忠実で粘り強かった人が勝つ。それは昔、ホンダのF1エンジニアを取材してても感じたな。エンジンはちりの積み重ね、細かい努力の結晶だって。
もひとつ面白かったのが実兄の富夫さん。なななんと関東三大暴走族のひとつ、『ルート20』の元ヘッドで「一時は8000人集めた」とか。こちらはケンメリではなく2ドアの箱スカGT−Rが好き。パッとも石立鉄夫(この字でいいんだっけ)を茶髪にしたような、人の良さそうな人なんだけどさ。人は見掛けによらないとはよく言ったものです。