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時計、その不思議なナルシシズムの世界…

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 この春、またまたスイスの時計フェアに行ってきました。でね。前から思ってたプリミティブな疑問…それは時計って何で高いのか、しかもそれを結構な人が買うのかってこと。それがだんだん見えてきました。
 時計というかすべてのブランドってお客とお店が作るものなんだよね。なんつーか、お互いに持ち上げあう関係。「アナタ、ステキよ!」「オマエこそステキだ!」みたいな。どっちかっていうとラテン文化。フラメンコのダンサーと伴奏の関係みたいなもんかな。
 それは当事者にとっては、キモチいいものであり、ハタから見るとなんだかわからないわけだよね。一種宗教めいてる。
 だから、時計のフェアに行くと、面白いのはジャーナリストっていうか、ライターそれぞれがみんな自分自身「ホメる型」を持ってること。「素晴らしい」「カッコいい」はもとより、
「こ、これはヤラれました…」とか「一種の黄金率です」みたいな感じやら。つくづく妙な、面白い世界である。
 みんなでホメたたえあう…おそらくそれは宝塚もそうなんだろうし、芸能の世界はすべからくそう。
 だから時計というのは、そういう点で実用品ではなく、芸能界に近い。イメージコントロールは繊細で、情報コントロールは厳しい。クルマとはかなり違っていて、クルマはまだまだ実用であり、オトコ臭い世界。モータースポーツに代表されるように、“美とナルシシズム”の世界ではない。
 きっとそれが面白い。難しいんだけどね。

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プロフィール

バラエティ自動車ジャーナリスト
小沢コージ

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中のバラエティ自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『CAR SENSOR』『日経トレンディネット』『carview』など連載多数。一時はTOKYO MX「アンダーステア」でメインパーソナリティ、現在NACK5「おとこラジオ」に時折ゲスト出演。クルマ以外の著作も多く、今年1月にはロンドン五輪のトビウオジャパンを取材した「つながる心」(集英社)を編集、時計分野でも『時計BEGIN』にて連載中。最近、上海オフィスも完成し、中国進出中!!
愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ&ホンダ・エディックス&トヨタiQ。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

小沢コージの単行本


『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』
(宝島社 13年5月)


『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』
(集英社 13年1月)


『クルマ界のすごい12人』
(新潮社 08年6月)


『国産車の愛し方』
(小学館 07年2月)


『力説自動車』
(小学館 06年春)


『小沢コージのクルマ苑』
(ロコモーションパブリッシング 05年秋)


『愛のクルマバカ列伝』(右)
(講談社/三推社 99年冬)


『クルマ選びのハッピー&ブルー』
(アスペクト 98年春)

小沢コージの現在の連載

ベストカー/三推社
愛のクルマバカ列伝
ENGINE/新潮社
日本自動車永代蔵
LAPITA/小学館
輸入車の愛し方
時計Begin/世界文化社
時計中毒の人々
宝島/宝島社
山内一典×小沢コージのクルマミシュラン
smart/宝島社
GO! SMART CARS GO!
週刊プレイボーイ/集英社
俺車
TranScooter/ニューズ出版
バイク異能人の作り方
FORM/ニューズ出版
クルマはスポーツウェアだ!
webCG/二玄社
小沢コージの勢いまかせ!!
nikkeibp.jp/日経BP社
小沢コージのアンチエイジングカー
バツラジ/TBSラジオ
木曜日:男のモノいじり!

小沢コージの不定期寄稿誌

過去、扶桑社『週刊SPA!』、小学館『ビックコミックスピリッツ』、文芸春秋『NUMBER 』、主婦と生活社『LEON』、世界文化社『BIGIN』、光文社『週刊DIAS』などに寄稿。またやるかも?