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なぜふたりは続かないのか

 昔から疑問に思っていたことがある。なぜふたりは続かないのか。俺の回りには、結構ナイスな男とナイスな女のカップルがいて、それぞれ才能も性格もなかなかで愛もあるのになぜか続かない。
 一部、女のせいかなと思っていた。今の女は昔とは違って自己主張する、稼ぐ、我慢しない、年老いてもなお美しい。だが、それは違っていた。最近、それが分かってきた。
 逆にふたりが続くことがおかしいのだ。結婚にしろ、付き合うにしろ、ふたりの感性の違う人間が、自己を主張したまま長く一緒に生活を共にする、あるいは子供を作る、共通の夢を持ち続ける、そこにそもそもの無理がある。それは男だとか女だとか、性別の問題ではない。おそらく同性でも一緒。共にいるためにはどちらかががんばらなければならない。それが絶対的真理なのだ。
 それは古来日本では、一方的に女性が請け負っていた。文化なのか慣習なのか才能なのか差別なのかわからないが、女性担当だった。海外はどうなのだろう。
 だが今は違う。戦後の開放で、男も女も、自己を主張し、己の才能を追及し、好きな物を食べ、好きな時間に寝て、自由に好きな人といれるということに“なっている”。それはおそらくいいことなのだが、一つ大きく欠落している点がある。それだけでは、ふたりの生活はほぼ実現しないということだ。
 ふたりの生活には、我慢もしくは忍耐、あるいは不感、そして感情移入が絶対的に必要になる。そしてそれは案外、今の日本では教えられてないし、認められてない。一部“過去の遺物”とされていることすらある。
 「恋愛」と「長く一緒にいること」の違いが正しく認識されてなく、そのために必要な才能、方法が確立できていない。
 自由を謳歌することばかりが尊重されて、“意味の無い”我慢は悪しきものとされているのだ。上手く行くわけがない。もはや新しい文化を築かなければならない。
 結構、難しい問題だと思う。

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プロフィール

バラエティ自動車ジャーナリスト
小沢コージ

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中のバラエティ自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『CAR SENSOR』『日経トレンディネット』『carview』など連載多数。一時はTOKYO MX「アンダーステア」でメインパーソナリティ、現在NACK5「おとこラジオ」に時折ゲスト出演。クルマ以外の著作も多く、今年1月にはロンドン五輪のトビウオジャパンを取材した「つながる心」(集英社)を編集、時計分野でも『時計BEGIN』にて連載中。最近、上海オフィスも完成し、中国進出中!!
愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ&ホンダ・エディックス&トヨタiQ。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

小沢コージの単行本


『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』
(宝島社 13年5月)


『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』
(集英社 13年1月)


『クルマ界のすごい12人』
(新潮社 08年6月)


『国産車の愛し方』
(小学館 07年2月)


『力説自動車』
(小学館 06年春)


『小沢コージのクルマ苑』
(ロコモーションパブリッシング 05年秋)


『愛のクルマバカ列伝』(右)
(講談社/三推社 99年冬)


『クルマ選びのハッピー&ブルー』
(アスペクト 98年春)

小沢コージの現在の連載

ベストカー/三推社
愛のクルマバカ列伝
ENGINE/新潮社
日本自動車永代蔵
LAPITA/小学館
輸入車の愛し方
時計Begin/世界文化社
時計中毒の人々
宝島/宝島社
山内一典×小沢コージのクルマミシュラン
smart/宝島社
GO! SMART CARS GO!
週刊プレイボーイ/集英社
俺車
TranScooter/ニューズ出版
バイク異能人の作り方
FORM/ニューズ出版
クルマはスポーツウェアだ!
webCG/二玄社
小沢コージの勢いまかせ!!
nikkeibp.jp/日経BP社
小沢コージのアンチエイジングカー
バツラジ/TBSラジオ
木曜日:男のモノいじり!

小沢コージの不定期寄稿誌

過去、扶桑社『週刊SPA!』、小学館『ビックコミックスピリッツ』、文芸春秋『NUMBER 』、主婦と生活社『LEON』、世界文化社『BIGIN』、光文社『週刊DIAS』などに寄稿。またやるかも?